健康管理に
血糖値の知識をまず習得しましょう!
空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きかったり、食後に血糖値が大きく上昇すると、血管がダメージを受け、動脈硬化や糖尿病の合併症が進みやすくなる。放っておくと心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの合併症が進展しやすくなると考えられている。
国際糖尿病連合(IDF)がまとめた「食後高血糖の管理に関するガイドライン」では、食後2時間血糖値が140mg/dLを超える場合は対処が必要だとされている。
欧州での13件の前向きコホート試験から得たデータをもとに検討した「DECODE Study」では、食後高血糖が死亡リスクを高めることが示された。糖尿病患者の空腹時血糖値と死亡リスクの相関をみたとき、糖負荷後2時間血糖値が高いと、心血管病、虚血性心疾患、脳卒中、全死亡のリスクがそれぞれ上昇することが明らかになっている。
血糖値スパイク」は、一般的な健康診断では見逃されやすいため、「隠れ糖尿病」とも呼ばれる。医療機関で検査を受けることが大切だ。
糖尿病の検査や健診などで多く行われているのはHbA1c検査だ。HbA1cは過去1~2ヵ月間の平均血糖値をあらわす指標で、測定時点から過去にさかのぼって一定期間の平均的な血糖レベルをひとつの数値であらわすものだ。一般的にはHbA1c 6.5%未満を基準としている。
しかし、HbA1cだけでは、血糖の日内変動や日差変動は把握できないので、「血糖値スパイク」や低血糖を見逃すことになる。
食後高血糖を知るための方法として、糖負荷試験(OGTT)がある。OGTTは、水に溶かした75gのブドウ糖を飲んで、血糖値を2時間後まで時間を追って測る検査。食後の血糖値の変動を正確に知ることができる。
もっと手軽な方法としては、血糖自己測定(SMBG)がある。食後1〜2時間後に血糖値をはかり、得られた測定値をノートに記録しておくと役に立つ。
カナダの研究によると、低糖質で高タンパクの朝食が、その日の血糖値の変動を正常にコントロールするのに役立つ可能性があるという。
「典型的な西洋式の朝食は、シリアル、オートミール、トースト、フルーツなどですが、これらは手軽に食べられる一方で、糖質がとても多く食物繊維が少ないので、食後血糖値を上昇させやすいのです」と、ブリティッシュコロンビア大学健康運動科学部のジョナサン リトル氏は言う。
研究グループは、2型糖尿病の人を対象に2日間の実験を行った。1日目には朝食にタンパク質の多いオムレツとサラダを食べてもらい、2日目には糖質の多いオートミールとフルーツのみを食べてもらい、それ以外の食事は同じものを摂ってもらい、1日の血糖値の変動を比較した。
その結果、朝食の糖質を含む炭水化物のエネルギー比を50%以下にし、血糖値を上げにくいタンパク質や食物繊維を含む食品を十分に摂ることが、食事の血糖値上昇を防ぐのに有利であることを明らかになった。
日々の健康を管理も大切なので一度血糖値の重要性を認識しましょう!