口の周りの乾燥

今日は口の周りの乾燥についてです。

 

こうした口の周りだけが乾燥してしまうという経験のある方は多いのではないでしょうか。毎日しっかりとお肌の保湿ケアをしているのに、なぜか口の周りだけがカサカサになってしまうのです。

 

 

乾燥肌が悪化すると、かゆみ、湿しん、吹き出物ができやすくなります。またシミ、シワ、たるみなどお肌の老化は、乾燥肌が大きな引き金となります。口の周りの乾燥はとくにほうれい線を増やしてしまいます。

 

 

お肌の保湿ケアをしているのに、なぜ口周りだけが乾燥してしまうのでしょうか。その原因は、口周りは顔の中で一番皮膚が薄いからです。そのため外部の刺激にとても敏感なのです。

 

 

口の周りは汗腺が少なく、汗の分泌が他のパーツに比べてかなり少ないのです。そのため乾燥しやすく、肌荒れも起こしやすい部分です。

そうした口の周りの乾燥を防ぐには、保湿と刺激の軽減が必要です!
今回は口の周りの乾燥肌について説明していきます。

 

 

 

 

全身の皮膚は、その場所によって厚さが異なります。一番皮膚が厚いのは足の裏です。足の裏の皮膚は厚さが約1.5mmといわれています。

一方、全身の皮膚で最も薄い場所が口の周りや目の回りです。皮膚の厚さは約0.6mmといわれています。

皮膚が薄いとどうして乾燥するのか…?

人の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織という3層構造になっています。表皮の一番外側にあるのが角質層です。口の周りのお肌が乾燥している状態というのは、角質層が乱れているからです。

角質層の中では、角質細胞が積み重なり、その中に天然保湿因子(NMF)が水分をしっかりと含んだ状態で存在しています。ブロック状に重なった角質細胞をセラミド、遊離脂肪酸コレステロールなどの細胞間脂質がつなぎあわせています。

こうしてお肌の中の水分が蒸発しないように防いでいるのです。この角質層を薄い皮脂膜がおおっています。皮脂膜とは、皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗が混ざり合ってつくられた膜で、皮膚の表面をクリームのようにカバーしています。

この皮脂膜が角質層を守ることで、お肌の内部から水分が蒸発しにくくなっています。また紫外線やウイルス、空気中のホコリ、細菌など外部からの異物の侵入を防いでお肌の内側を守る機能を果たしています。

 

 

こうした皮膚の保湿機能、外部からの菌の侵入を防ぐ機能などをお肌のバリア機能といいます。目元や口の周りなど皮膚が薄い部分は、もともと水分量や汗の量が少ないことから、お肌のバリア機能が弱く乾燥や肌荒れを起こしやすくなるのです。

 

 

また女性は加齢とともに、皮膚が薄くなるといわれています。その理由はホルモンの変化によって、皮膚の真皮層に存在するコラーゲンが減少するからとされています。

コラーゲンはタンパク質の一種で、人の体をつくるタンパク質の約3分の1を占めています。骨、筋肉、血管、髪など全身のほとんどに存在し、中でも皮膚に多く含まれています。

 

 

皮膚の真皮層の約70%はコラーゲンでできています。バネのような働きを持つコラーゲンが健康的で美しいハリと弾力、潤いのあるお肌をつくっているのです。

 

 

 

コラーゲンが不足すれば、お肌はカサカサに乾燥し、ハリと潤いのない不健康な状態になってしまうでしょう。コラーゲンは体内で合成されています。しかし加齢とともにコラーゲンの合成する量はどんどん減少していくとされています。保湿ケアでコラーゲンを積極的に取り入れていくことが大切です。

 

 

食事の最中に口の周りを拭いたり、落ちにくいリップをゴシゴシこすって落としたり、洗顔やクレンジングの際に口の周りをこすり洗いしていたりと、何かと口の周りを刺激することが多いです。皮膚が薄い口の周りを手やナプキンで強くこすると、肌摩擦が生じるためお肌は傷つき乾燥しやすくなります。

 

 

何かと口の周りをなめる、手や指で触るクセのある人はさらに乾燥を早めてしまうでしょう。寒い冬の季節は、鼻をかんだり、マスクをつけたりする機会が増えます。

 

 

その度にティッシュやマスクで口の周りの皮膚に摩擦が起きて、乾燥肌を引き起こしやすくなります。また就寝中に枕や布団で、口の周りがこすれている可能性もあります。

スキンケアをしっかりしていても、お肌の乾燥がなかなか改善しないという人は寝ている間も要注意です。