乾燥対策2
正しい洗顔の手順を紹介する前に、毎日使う洗顔料の選び方を説明します。
洗顔は毎日分泌される皮脂、古い角質、お肌に付着した空気中のホコリや雑菌を洗い流して清潔にするのが目的です。洗顔料はそれほど洗浄力に強いものは必要ありません。
洗浄力の強い洗顔料には、油分を落とすための合成界面活性剤が配合されたものがあります。素早くメイクを落とすオイルクレンジング、シートタイプのクレンジング剤には多量に配合されているとされています。
合成界面活性剤は皮脂汚れをすっきり落としてくれるのでさっぱり感があります。しかし洗浄力が強いため、お肌に必要な皮脂やお肌が本来持っている保湿成分のセラミドを一緒に洗い流してしまうともいわれています。
保湿成分のセラミドが洗い流されてしまうと、お肌のバリア機能が低下して角質層の水分は低下してボツボツの鮫肌やカサカサの乾燥肌を招く原因になります。もちろんお肌のターンオーバーは乱れます。
お肌のバリア機能を守るためには、セラミドや皮脂を洗い流さないお肌にやさしい洗顔料を選びましょう。オススメは、天然成分でつくられた固形の石けんです。
固形の石けんは弱アルカリ性です。健康なお肌は弱酸性なので、弱酸性の洗顔料がお肌にやさしいと思われがちです。
しかし弱酸性の洗顔料は、油分が含まれたメイク汚れや酸化した皮脂などはしっかりと除去できるのですが、洗顔の本来の目的である皮脂や古い角質を取り除くことが困難とされています。
また弱アルカリ性の固形の石けんで洗顔した後はお肌が弱アルカリ性に傾きますが、しばらくすると弱酸性に戻るので心配ありません。お肌がトラブルを起こすことは滅多にないのです。
天然成分でつくられた固形の石鹸はお肌への刺激も少なく、お肌に必要な成分を残しつつ、汚れをしっかり洗い流してくれます。乾燥肌、敏感肌、肌荒れの人も安心して毎日使えます。
たっぷりの泡をお肌の上で転がすように優しく洗うのがポイントです。モコモコの泡がお肌に付着した古い角質や毛穴に詰まった汚れを包み込み、しっかりと除去します。
ゴシゴシとこすり洗いをすると、肌摩擦で角質層が傷つき、肌荒れの原因になります。お肌に手が触れないように、たっぷりの泡をクッションにして汚れを落とすのがコツです。
固形の石鹸は泡立てにくいので、泡立て用のネットを使うとよいでしょう。短時間でキメの細かいモコモコのたっぷりの泡をつくることができます。
洗顔の手順は、たっぷりの泡を皮脂腺の多いTゾーンから載せていきます。次に頬、最後は皮膚の薄い目元、口元に泡を載せて肌をこすらずにやさしく洗います。
すすぎはぬるま湯で、すすぎ残しがないようにしっかりと流します。熱いお湯は皮脂を流してしまうので乾燥肌の原因になるので要注意です。髪の生え際、小鼻の周りは泡が残りやすいので意識して流します。
固形石けんで洗顔した後はお肌が弱アルカリ性に傾いているので、なるべく早く保湿ケアを行い弱酸性に戻してあげましょう。
保湿ケアの手順は化粧水→美容液→乳液→クリームの順に行います。化粧水でたっぷりと角質層に水分を与えて、乳液やクリームでふたをして水分の蒸発を防ぎます。
保湿ケアのコツは、お肌全体にムラなくつけることです。手でつける際は、パチパチとたたかずに、両手で顔をおおうようにすると、お肌の奥まで水分や美容成分がじんわりと浸透していきます。
コットンでつける場合はたっぷりの化粧水を含ませたコットンをお肌の上で滑らせるようにつけましょう。ゴシゴシとこすると肌摩擦が起きて肌トラブルを招く原因になるので注意しましょう。
これらの成分はもともと、お肌の内部に存在する保湿成分です。コラーゲンはお肌のハリと弾力をつくり若々しいお肌をキープするためには不可欠な成分です。
この成分はいずれも、加齢とともに減少していくので、毎日のスキンケアで積極的に補うことでバリア機能の働きが正常になり、ターンオーバーの周期が正常化して鮫肌、乾燥肌も改善します
保湿ケアで使用する化粧品は、乾燥肌をカバーする成分が入った物を選ぶとよいでしょう。
洗顔後は、清潔な柔らかいタオルで、ポンポンとお肌を押さえるようにして水分をふき取ります。